要約
初めてレンジファインダーに触れたときの“速さ”と“直感”は忘れ難い。だが「ライカM EV1」は、その体験を再現しない。ピーキングは状況依存で、拡大MFも機敏さに欠ける。被写体認識もなく、狙点移動は煩雑。美しい仕上げに反して、同センサーの「α7CR」と比べ優位性は見出しにくい。
The Leica M EV1 is a rangefinderless M: Digital Photography Review
https://www.dpreview.com/reviews/leica-m-ev1
DP Reviewに、「ライカM EV1」のファーストインプレッションが掲載されています。
- ライカのレンジファインダーを初めて使ったときのことを覚えている。
- 数時間のうちに2枚の写真を撮っただけであったが、ほぼ20年が経った今でも、その光景を頭の中にはっきりと思い描くことができる。
- それらの写真は必ずしも完璧にピントが合っていたわけではなかったが、重ね合わせた像を一致させることがあまりにも素早くできたため、ある技術が何度も別の技術に取って代わられたとしても、決して完全には時代遅れにならないのだとすぐに理解することができたのである。
- 「写真に本当に興味がある人は、週末にレンジファインダーをレンタルするべきである」というのは、その後の年月で私が繰り返し口にしてきたフレーズである。
- 残念なことに、「M EV1」はこの体験をまったく提供してくれない。
- フォーカスピーキングを使えば、レンジファインダーを使うときのスピードの一部に近づくことはでき、おそらくフォーカスの精度も同じように“大まかなところ”までは持っていける。
- しかし、こうしたシステムすべてに言えることだが、フォーカスピーキングは絞り値と光量に大きく依存しているため、場面によっては画面上のすべてがハイライトされることもあれば、逆に何も表示されないこともある。
- おそらく6000万画素という解像度に見合う精度を求めるのであれば、拡大ライブビューを使う必要があるだろう。
- 一部の最新ミラーレスカメラとは異なり、「M EV1」には被写体認識システムのようなものが搭載されておらず、潜在的な被写体にパンチインしてくれるわけではない。
- そのため、自分がズームインしたいターゲットポイントを再配置するには、画面をタップするか、あるいは4方向コントローラーを使って、ごくゆっくりとポイントを移動させなければならない。
- ただし、左目が利き目の場合には、鼻で誤って画面をタップしないよう注意が必要である。
- 鼻でタップしてしまうと、ターゲットポイントも一緒に動いてしまうからである。
- もちろん、レンジファインダーと同じように、中央でピントを合わせてからカメラを振るという方法も取れる。
- しかし、それをやってしまうと、本来ライブビューが持っているはずの精度面での利点を自ら捨ててしまうことになる。
- 「M11」が登場した当時、私は、ライブビューの柔軟性と、それがもたらすフォーカス精度の向上によって、レンジファインダーと光学ファインダーは冗長なものに見えてしまう危険がある、と書いた。
- しかし、「M EV1」をこれまで使ってきた経験からすると、私の見解は間違っていたようである。
- はっきりさせておきたいが、私は現代のカメラでマニュアルフォーカスレンズを使って撮影することが好きではない、断言しておきたいレベルでそうである。
- 遅くて不正確だと感じるし、フォーカス用のツールも、一眼レフのスプリットプリズムファインダーやレンジファインダーほど、単純で素早いものとは到底言えない(不正確ではあるが)。
- この仕事において、ピントに関して「だいたい合っているからそれでよし」という程度で妥協する余地は与えられていない。
- その結果、私はこの一連のプロセス全体を、遅く、フラストレーションが溜まり、そして扱いにくいものだと感じている。
- 1週間このカメラを使ってみたうえで言うならば、ライカのレンジファインダーの価格の91%を支払ってまで、レンジファインダーでもなく、マニュアルフォーカスを試みる他のどのミラーレスカメラとも同程度の使い勝手しか持たないカメラを手に入れる意味が、私にはまったく見いだせない。
- 確かに仕上げは美しく、レッドドットも付いているが、たとえば同じセンサーを共有しているソニー「α7C R」と比べて、どれほど大きな利点があるのか、私にはよく分からないのである。
とのこと
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