2014.07.25
交換レンズレビュー:IBELUX 40mm F0.85 - デジカメ Watch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/lens_review_2/20140723_658262.html
デジカメ WatchにHandeVision(ハンデビジョン)のIBELUX(イベルックス)40mm F0.85のレビューが掲載されています。
- 中国では大きくボカしたいというニーズが強く、大口径レンズは人気カテゴリー。
- Speedmasterの好敵手となるレンズ。
- 35mmフルサイズには未対応。
- APS-Cのミラーレス機とマイクロフォーサーズ機に対応。
- “F0.85”という頭ひとつ抜きん出た明るさを実現。
- HandeVisionというブランドは、KIPONの製造元である上海伝視撮影と、ドイツの光学研究所IB/Eオプティックスが協業で設立したレンズブランド。
- IB/Eオプティックスは工業用、医療用、映画撮影用レンズなど、特殊なレンズの設計に秀でた会社。
- IBELUX 40mm F0.85はレンズ設計をIB/Eオプティックスが担当し、上海伝視撮影が製造を行っている。
- マウントアダプターのKIPONがレンズ分野に参入、という理解でかまわない。
デザインと操作性
- マウントはキヤノンEF-Mマウント、ソニーEマウント、富士フイルムXマウント、マイクロフォーサーズに対応。
- 開放F0.85というスペックは、既存のミラーレス機用レンズの中でもっとも明るい。
- F0.85を実現するために全長128mm、重量1,150g。
- この焦点域の単焦点レンズとしては重く大きな鏡胴。
- 絞りの刻みは1段ずつ。開放F0.85の次はF1になる。
- 距離表示はメートルとフィートの2段表記
- 鏡胴は金属製で、ブラックペイントの光沢が美しい。
- レンズ構成は8群10枚。うち3枚はEDガラスを使用。
- 前玉に凹レンズを採用しているのが特徴。
- MFレンズということでフォーカスリングのフィーリングにも気を配っている。
- ドイツおよびスイス製のベアリングシステムを採用。
- フォーカスリングの動きが実に滑らか。
- 重すぎず軽すぎず、ほどよいトルク感を備え、シビアな開放時のピント合わせも的確に操作可能。
- 絞りリングは1段ごとにクリックがある。
- このクリック感がやや弱く、さらにF0.85とF1の間隔が狭いため、開放から1段だけ絞りたいのにF1.4まで回ってしまう場合も。
- 組み込みフードを装備している。先端の筒を引き出すとレンズフードになる
遠景の描写
- 周辺の隅々まで解像感に優れ、シャープな描写が特徴。
- 大口径レンズゆえに絞り値による描写変化は大きい。
- 開放では滲みとフリンジが発生する。
- F2~F2.8を境に収差が収まり、堅実な描写。
- 開放の滲みはF0.85ではよく抑えられた方。
- ソフトフォーカスは個性として作画に活かすべき。
- F0.85というスペックにわりに周辺光量落ちは少ない。
- F2あたりまで絞れば四隅まで明るくなる。
ボケ味
- ボケは非常に大きい。
- APS-Cミラーレス機でこれだけ豊かなボケ量を稼げる。
- 近接でたっぷりボケるのは無論、APS-C機にも関わらず、中距離で前後をボカせるのはこのレンズならではのアドバンテージ。
- ボケの質は総じてなだらか。
- シーンによっては開放でややざわつく印象も受ける。
- 極端なぐるぐるボケが発生するようなことはない。
- 開放ではほのかな滲みとボケが合わさる。
- 「開放でやわらかく」、「絞って硬く」と緩急を楽しめる。
逆光耐性
- 組み込みフードを搭載。
- フードを伸ばした状態で逆光撮影をテスト。
- 太陽を入れ込んだ状態でもフレアやゴーストはほぼ発生しない。
- 逆光の作例で白飛び部分がズボッと抜けている点が気になる。
- ハイライト部分にもう少し粘りがある方が好ましい。
作例
- 開放近辺ではシャープネスこそやわらかい印象だが、コントラストの付き方は力強い。
- 開放近辺の被写界深度は極めて浅く、それでいてしっかりと解像する。
- 大きくボケながらも背景の様子がしっかりと伝わってくる。
- 多少滲みをともなうとはいえ、開放でこれだけシャープなら文句はない。
- ボケも滑らかで美しい。
まとめ
- APS-C機のX-T1と組み合わせてフルサイズ機に大口径標準レンズを付けているような感覚。
- Aボケを稼ぐために被写体に歩み寄る必要がない。
- その場で絞りを開けるだけでたっぷりボケる。
- F2.8以降では手堅くシャープに写るので、クセ玉にありがちなデリケートな部分がない。
- 常用レンズとして使いやすい。
- 重量があるのでスナップレンズ的な使い方は厳しいが、作品づくりの良きパートナー。
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