2026.03.21
要約
CP+2026でパナソニックのイメージング部門幹部に取材し、カメラ市場の「いま」を聞いた。成長は戻りつつあるが、牽引役はフルサイズ旗艦だけではないという。コンパクト復権の理由、マイクロフォーサーズの価値、フルサイズ動画の次、AIと計算撮影の位置づけ、LUMIX 25周年で語られた「G1」の意味まで整理する。
Panasonic sees the compact camera renaissance as an opportunity for Lumix: DPReview | Photography News, Gear Reviews & Community
https://www.dpreview.com/interviews/7842065007/panasonic-cpplus-2026-interview
DPReviewに、CP+2026でのパナソニック執行役員副社長/イメージングソリューション事業部長 津村氏へのインタビューが掲載されています。
- CP+2026(横浜)でパナソニックのイメージング部門幹部に取材し、カメラ市場が再び成長局面に入りつつある一方、10年前のピーク期とは「売れる理由」が変わったという見立てが語られた。
- 津村敏行氏(Executive Vice President)は、コロナ禍後に縮小した市場が近年は年々回復し、直近は前年比で伸びたと説明する。
- ただし牽引役は、かつてのフルサイズ上位機ではなく、エントリーのミラーレスやコンパクトなど「価値ゾーン」の製品になってきた、というのが重要なポイントだ。
コンパクトカメラブーム再燃の背景
- 津村氏は、いまトレンドがコンパクトカメラへシフトしているとし、その理由を「撮って、共有する」文化の拡大と、スマホでは満たし切れない画質欲求に求めた。
- コンパクトカメラがスマホより優位になり得る点として、①低照度性能、②より長く高品質なズーム、③“本物の防水”のような専用機ならではの機能を挙げる。
- 若い世代は日々膨大な画像・動画に触れており、スマホと専用機の画質差を見分けられるという分析も示された。
- パナソニックとしては、この変化を「フルサイズの旗艦だけ」で取りに行くのではなく、スマホが完全には置き換えられなかった小型カメラにも新しい活力がある、と捉えている。
マイクロフォーサーズは携帯性で価値を出す
- 小型システム需要の高まりを受け、マイクロフォーサーズについても質問が出た。
- 津村氏は、毎年ラインアップを強化しており、今後も開発を続けたいと明言する。
- マイクロフォーサーズの最大の強みは小型軽量で、レンズまで含めたシステム全体では同等のフルサイズ構成より大幅に小さくできる。
- いま増えているエントリー層・ステップアップ層が求めているのは「どこへでも持ち出せる携帯性」だとして、マイクロフォーサーズでどんな価値提案ができるかを現在と将来の両面で検討している、と語った。
- 加えて「かつての戦場は解像度やセンサーサイズだったが、いまは違う」という発言もあり、数値競争より“体験”や“目的への適合”が重視される方向へ市場が変わったという認識が示された。
フルサイズ上位の動画領域は、まだ伸ばせる
- 一方で、フルサイズの動画志向についても余地があるという。
- パナソニック「S1II」は動画に強いハイブリッドだが、プロシューマーの動画制作がより重要になっているとして、次のプロ向け動画機で「どんなプロ機能を取り込むべきか」を調査している段階だと説明する。
- 「S1H」直系の後継を断言はしないが、単なるスペック上乗せではなく、実際の現場の使われ方やシステム要件を見て、必要な改善と追加を詰めていく方針が語られた。
AIとコンピュテーショナルは“柱”として扱う
- パナソニックは以前からコンピュテーショナル(計算)系の撮影処理を重視してきたが、AIは今や付け足しではなく中核の柱だという。
- 津村氏は、計算処理の進化のためにAI技術を活用すると述べ、複数のパートナー企業と連携して先端技術を取り込み、具体的な機能へ落とし込む流れを説明した(企業名は非公開)。
LUMIX 25周年と「G1」の意味
- 2026年はLUMIX 25周年でもある。ただし社内では祝賀というより、支えてくれた顧客への責任として捉えているという。
- 山原氏(グローバルマーケティング)は「この先も続ける必要がある」と語った。
- 津村氏にLUMIX史上で最も重要な製品を問うと、迷いなく「G1」を挙げた。
- 初期のミラーレスとして市場を作り、カメラ文化を変えた製品だという認識が示され、現在の“体験重視”の潮流とも地続きであることが印象に残る内容だった。
とのこと
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