2026.03.10
要約
CIPAの2025年統計で、35mm未満センサーの交換レンズ式ボディ出荷は445万台超となり、フルサイズ以上(約254万台)を大きく上回った。レンズ出荷も小型センサー向けが伸び、メーカーは2026年にAPS-Cへフラッグシップ級技術を本格投入し始める。「EOS R7 Mark II」「X-T6」「Z50 II」を軸に、価値と課題を整理する。
APS-C Cameras and Lenses Are Having Their Best Year Ever | Fstoppers
https://fstoppers.com/gear/why-aps-c-cameras-and-lenses-are-having-their-best-year-ever-900236
Fstoppersに、CIPAの出荷レポートについての見解が掲載されています。
APS-Cがフルサイズ以上を上回った衝撃
- 2025年、CIPA加盟各社が出荷した交換レンズ式ボディのうち、35mm未満センサーは445万台超であった。
- フルサイズ以上は約254万台で、35mm未満が約1.75倍上回った。
- 長年「入門で卒業するセンサー」と言われてきたカテゴリーが、数字の上では主流になっている。
レンズ出荷が示す“投資の本気度”
- ボディだけでなくレンズの動きがさらに決定的である。
- フルサイズ未満向けレンズは前年比で数量が約8%増、金額が約19%増となった。
- 一方でフルサイズ以上向けは数量が約2%減、金額が約5%減である。
- ユーザーはAPS-Cボディを買って終わりではなく、システムとして買い込んでいるという読みになる。
メーカーはAPS-Cを“義務”として扱ってきた
- ミラーレス時代の大半で、メーカーはAPS-Cを機会よりも義務として扱ってきた。
- 最高のセンサー、AF、動画機能はフルサイズに先行投入され、APS-Cは世代遅れの薄味になりがちだった。
2026年に起きる転換:フラッグシップ級技術の本格流入
- この構図は2026年に変わりつつあるという。
- 主要メーカーがAPS-Cに、上位機から直接持ち込んだプロセッサ、上位由来のセンサー設計、同系統のAI被写体認識AFなどを載せ始めた。
- 「APS-Cは妥協ではなく、市場そのものだ」という認識が同時に広がっている、という主張である。
数字の背景:CIPAが示す交換レンズ式の多数派
- CIPAは2025年から交換レンズ式カメラ出荷を「35mm未満」と「35mm以上」に分けて報告している。
- 2025年の加盟社総出荷は940万台超で、ミラーレスが約630万台。
- 交換レンズ式の多数派はAPS-Cやマイクロフォーサーズを含む35mm未満側である。
- サードパーティ(Viltrox、シグマ、タムロンなど)が小型フォーマットに注力するのは、ボリュームがそこにあるためだという。
- また、メーカーの財務情報でも、キヤノンは低価格帯APS-Cの販売増を戦略課題として明示し、ニコンも「Z50 II」などエントリー機が数量面で効いているとされる。
キヤノン「EOS R7 Mark II」:2026年APS-Cの象徴
- 2026年の象徴として挙げられるのがキヤノン「EOS R7 Mark II」である。
- 初代は電子シャッターのローリングシャッターや高感度ノイズ、筐体の“プロ感”などに不満があったとされる。
- 「EOS R7 Mark II」は2025年12月にFCC認証を通過した可能性が語られ、秘匿期限(2026年6月)から5月末〜6月初旬が有力と推測される。
- 噂では3900万画素BSIセンサー、ボディの上位化(R6級サイズ、369万ドットEVF、CFexpress Type B+SDのデュアルスロット)などが取り沙汰され、8K動画やAI系アクセラレータ、秒30〜40コマ級連写も話題に上がる。
- APS-Cのクロップ効果で到達距離が稼げる点が、野生動物・スポーツで強みになるという。
- ただし最大の課題はレンズで、RF-Sの薄さがボディの上位化と噛み合うかが焦点だとする。
富士フイルム「X-T6」:APS-C主戦場メーカーの大更新
- 富士フイルムはAPS-Cを二軍扱いしなかったメーカーであり、「X-T6」は2026年9月発表の噂として第6世代プラットフォーム(新X-Trans CMOS、新プロセッサ、AI AF)を象徴するとされる。
- 部分積層で読み出しを速め、ローリングシャッターやAF応答を改善する可能性が語られる。
- ピクセルシフト(20000万画素)や8K動画、チルトからバリアングルへの変更などが噂され、賛否が起き得る。
- レンズ群の厚み、色、フィルムシミュレーション、思想の整合性が富士フイルムの強みとして挙げられる。
ニコン「Z50 II」:エントリーでも“上位の脳”が効く
- ニコン「Z50 II」は上位「Z9」と同じEXPEED 7を搭載し、被写体認識や3Dトラッキング、プリリリースキャプチャなどが“薄めずに”降りてきた例として評価される。
- 一方でZ DXレンズの少なさ、IBIS非搭載、バッテリーなど弱点もあり、次にプロ向けAPS-C Z機(D500的後継)が来るかが注目点だとする。
ソニーは沈黙、しかし“切り札”を持つ可能性
- ソニーは「a6700」があるものの、写真向けAPS-Cの新展開が目立たないとされる。
- ただし産業用途でAPS-Cのグローバルシャッターセンサーを作っており、もしa6000系にグローバルシャッター機が来れば大事件になり得る。
- さらにEマウントはサードパーティAPS-Cレンズが厚く、参入のカードは強いという見方である。
技術の“降り”が速すぎる:差が縮む理由
- 全体の軸は、フラッグシップ技術がAPS-Cへ届く速度が急激に上がった点にある。
- 従来は数年遅れだったが、12〜18か月で流入し、場合によっては同時に来る。
- プロセッサの共通化とセンサー設計の収束が進めば、フルサイズ優位の論点は被写界深度の浅さと僅かな高感度性能に絞られていく、という主張だ。
写真家にとっての意味:価値は上がるが、最後はレンズ
- 野生動物・スポーツでは到達距離の計算がAPS-Cに有利で、仕事で2台持つ場合もサブ機として現実味が増す。
- 動画面でも、APS-Cで上位機能が手に入るならコスト効率は高い。
- ただし最終的に重要なのはレンズロードマップであり、APS-Cを選ぶことは妥協ではなく戦略になりつつある、という締めである。
とのこと
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