2026.03.13
要約
シグマが2018年から開発を続けるフルサイズFoveonは、2022年以降大きな進展が見えにくい状況が続いてきた。だがCP+横浜で山木和人氏は、技術課題の原因を絞り込みつつあり、今年は次の開発段階へ進める可能性があると語った。最大の壁はノイズだという。三層構造の理想、3段階ロードマップ、遅延の背景と現在地を整理。
Sigma Is Finally Making Progress With Its Full Frame Foveon Sensor | PetaPixel
https://petapixel.com/2026/03/11/sigma-is-finally-making-progress-with-its-full-frame-foveon-sensor/
PetaPixelに、CP+2026でシグマ山木社長へのフルサイズFoveonについてのインタビューが掲載されています。
- シグマは2018年からフルサイズFoveonセンサーを開発している。
- ただし2022年以降、大きな進展が見えにくい状況が続いてきた。
- 一方でシグマCEOの山木和人氏は、エンジニアリング側では前進があり、今年中に最終段階へ進める見通しだと語っている。
Foveonの仕組みと理想
- Foveonは独自の三層構造を採る。
- 赤・緑・青の各色がそれぞれ独立した層で記録される方式だ。
- 一般的な撮像素子はモザイク状に色フィルターを配置し、近傍画素を参照して不足色を補間する。
- Foveonは1画素で3色を得るため、理屈の上では高い解像感、優れた色再現、アーティファクト低減が期待される。
- ただし製品化されてきたFoveon搭載機はフルサイズ未満に留まり、フルサイズ化が長年の課題となっている。
2022年に示された「3段階」ロードマップ
- 山木氏は2022年、フルサイズセンサー開発を3段階に分けて説明していた。
- ステージ 1:新しい三層構造が狙い通り機能するかを設計シミュレーションで確認する段階。
- ステージ 2:製品仕様と同じ画素サイズを持つ小型センサーで試作し、性能特性を実機評価する段階。
- ステージ 3:ADコンバーターなど量産品と同等仕様のフルサイズ試作機で最終評価する段階。
- 当時は第2段階に入ったとされ、2022年夏時点では年内準備を見込んでいた。
- その直前には「致命的欠陥」が見つかり設計を引き直した経緯も語られていた。
遅延の連続と「第2段階の停滞」
- しかし、そのタイムラインは崩れた。
- 2年後、山木氏は開発が第2段階を超えられていないと認めている。
- 昨春の時点でも、試作するたびに技術課題が見つかり、遅れが積み重なっていると説明した。
- 「試作のたびに問題が出るが、少しずつ進んでいる。Foveonを搭載した製品を届けると約束した以上、前に進むしかない」という趣旨の発言もあった。
CP+での最新アップデートは「原因の絞り込み」
- 今月上旬のCP+横浜で、山木氏は改めて進捗を語った。
- 昨年から前進があり、問題の原因を絞り込めてきたという。
- 春から夏にかけて次の段階へ進める可能性があるとしつつ、現時点ではステージ2の途中にあるとも述べている。
- 特に最大の技術課題として挙げたのがノイズだ。
- 原因は複数あるが、主因はノイズであり、その原因解明と解決を進めているという。
ノイズ問題はFoveonの弱点として知られてきた
- ノイズが最大課題という説明は筋が通る面がある。
- 理論上、三層で光を受けるFoveonは光を約3倍集め、信号対雑音比が約1.7倍改善するはずだという指摘があった。
- しかし実測比較では低照度性能が伸び切らない例も知られている。
- 2014年のインタビューでも、Foveon側は「従来方式よりノイズが高い」ことを制約として認めていた。
- 層を分ける内部構造で光が失われる可能性や、混ざった信号から純粋な色を作る処理負荷などが背景にあるという見立てだ。
- 各フォトダイオード部で光を層の奥までうまく通すこと自体が難しく、ソフトウェア側の課題も重なる。
- 推測に過ぎないが、フルサイズ化に伴う画素サイズ変更がノイズ課題を増幅し、解決に年単位を要した可能性もある。
それでも「今年、ステージ2を抜ける」期待
- 進展は見られ、山木氏は開発が今年中にようやくステージ2を終えられると期待を寄せているようだ。
- いずれにせよ、最終的にはニッチな少量生産となるであろうこの挑戦に挑むことは称賛に値する。
とのこと
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