2015.01.13
比較レビュー:ポケットサイズの1インチ高級コンパクト対決 - デジカメ Watch PowerShot G7 X vs サイバーショットRX100 III
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/comparison/20150107_682609.html
デジカメ WatchにキヤノンPowerShot G7 XとソニーサイバーショットRX100 IIIの1インチセンサー搭載機の比較レビューが掲載されています。
外観
- 両モデルとも実によく似ている。メーカーロゴが無ければ遠目では見分けることは難しい。
- ただし、よくよく間近で見ると洗練されたボディシェイプを持つのはサイバーショットRX100 III。
- エッジがシャープで、PowerShot G7 Xにくらべスマートな印象。
- カメラ背面部もよく似ている。
- G7 Xの2段に重なったモードダイヤルと露出補正ダイヤルがRX100 IIIとは明確に異なる部分。
- ON/OFFボタン、シャッターダイヤルと同軸のズームレバー、撮影モードダイヤルのそれぞれは、いずれも同じような場所に配置。
- 大きさと質量に関しても、G7 Xが103.0×60.4×40.4mm・304g(バッテリーおよびメモリーカード含む)、RX100 IIIが101.6×58.1×41.0mm・290g(同)と違いは少ない。
- ボディ表面の質感にしても、見た目は若干異なるが、手に持ったときの感触はさほど変わらない。
- ボタンおよびダイヤル等の操作部材のレイアウトにしても両者そう大きな違いはない。
- 特にレンズ付け根のリングやシャッターボタン周りの操作部材は似通っている。
- 操作感は異なりクリックのあるG7 X、クリックのないRX100 IIIとなる。
- G7 Xでは露出補正ダイヤルがトップカバーに備わり、液晶モニターが上方向のみにチルトする。
- RX100 IIIはポップアップ式のEVFを内蔵するとともに、それに伴い内蔵ストロボは光軸上に配置。
- 液晶モニターは上下方向にチルトする。
- 動画ボタンが撮影モードダイヤルの下部にあるのもG7 Xとの違い。
操作感
- 両モデルの操作感は、レンズ付け根のリングと露出補正について、その違いが出る。
- レンズ付け根のリングは、G7 Xがクリックあり、RX100 IIIがクリックなしとする。
- 絞り優先AEの場合いずれもデフォルトでは絞り値の設定をこのリングで行う。
- 操作感がよいと筆者が感じるのはクリックのあるG7 X。
- 慣れの問題もあるかも知れないが、G7 Xのほうが節度ある操作ができるように思える。
- しかもクリックの感触は上々。
- 直感的に設定できる露出補正ダイヤルをG7 Xは備える。
- 撮影直後に画像を確認できるデジタルカメラでは、露出補正を行う機会は多い。
- RX100 IIIではその都度露出補正ボタンを押し、コントロールホイールの回転か十字キーの左右ボタンで設定を行わなければならない、多少分が悪いように思える。
- ただし、RX100 IIIにはEVFが内蔵されていることを忘れてはならない。
- デジタル一眼レフを普段使っているユーザーには、ファインダーに接眼したほうが被写体と対峙しやすく感じられることが多い。
- 明るい屋外などでは被写体の状況も液晶モニターにくらべ格段に把握しやすい。
- RX100 IIIではEVFのポップアップで電源ON、ボディに収納すると電源OFFとなるため、慣れるとたいへん便利。
- アイピースが小さく条件によっては見づらく感じることもないわけでもない。それでもEVFの搭載はたいへん心強い。
- G7 Xもせめて外付けのEVFが装着できるようになると違うのだが、今後に期待するしかない。
撮影性能
- センサーはどちらも1インチで約2,000万画素。デフォルトのアスペクト比も3:2で共通。
- ただし、RX100 IIIは高感度特性やダイナミックレンジで有利とされる裏面照射型を採用。
- このあたりが写りにどう影響するか、気になるところ。
- 設定可能な感度はどちらもISO125からISO12800まで。
- RX100 IIIのみISO80/100相当の拡張設定も可能とする。
- 搭載するレンズは、G7 Xが35mm判換算24-100mm相当F1.8-2.8。
- RX100 IIIが同24-70mm相当F1.8-2.8。
- やはりテレ端の画角の違いは大きく、使い勝手がよいのはズーム比の高いG7 Xといえる。
- 望遠レンズらしい描写も得やすい。
- また、レンズ先端からの最短撮影距離は、G7 Xがワイド端5cm/テレ端40cm、RX100 IIIがワイド端5cm/テレ端30cm。
- RX100 IIIのほうがテレ端では有利なように思える。
- しかしG7 Xのほうがテレ端の画角が狭いため、撮影倍率的にその差はほとんどないといってよい。
高感度特性
- ノイズリダクション設定はどちらもデフォルトの状態で比較。
- ISO3200までは両者ほぼ同じ。
- 特にISO400までなら輝度ノイズおよびカラーノイズの発生は見られない。
- ISO800になると輝度ノイズがわずかに現れ描写に影響を及ぼしはじめる。
- ISO1600ではカラーノイズも現れるようになる。同時にシャープネスの低下がはじまる。ただし、この時点までは両者とも、画像を大きく拡大しないかぎりそう気になることはないはずだ。
- さらに感度が上がると、両者ともノイズは顕著となり、エッジのにじみも際立ってくる。
- G7 XとRX100 IIIとの違いが明確になるのがISO6400あたりから。
- 明らかにRX100 IIIのほうがノイズや解像感の低下は少ない。
- やはり裏面照射タイプのCMOSセンサーを採用していることが影響しているものと思われる。
階調再現性
- 両者拮抗している。
- 同じ被写体の実写画像を見比べてみたが、露出やホワイトバランスの特性に違いはあるものの、極端な差はない。
- 両者ほぼ似た仕上がりといって差し支えないだろう。
描写特性
- レンズについては、いずれもワイド端およびテレ端とも開放からキレがよくコントラストの高い描写。
- 画面周辺部に関しては開放で描写の甘さが見受けられるものの、いずれも2段ほど絞ると大きく改善。
- 色のにじみなどもコンパクトデジタルとして考えるならいずれも良好に補正されている。
- ディストーションもさほど大きいようには感じられない。
- 描写特性について両モデルの差はほとんどないといってよい。
ボケ味
- 柔らかく感じられるのがG7 X。特にテレ側、開放絞りでの撮影では、RX100 IIIにくらべより柔らかく被写体同士が美しく溶け合う。
- さらに玉ボケについても、RX100 IIIは濁りのようなものがあるのに対し、G7 Xがクリアで美しい。
- ワイド側での両者の違いは少なく感じられるものの、総じてG7 Xのボケ味のほうがキレイ。
レスポンス
- 起動の早いのがG7 X。
- ON/OFFボタンを押し撮影が可能となるまでにかかる時間は、実測でG7 X約1.1秒、RX100 IIIが約1.7秒。
- RX100 IIIでも日常使う分にはほとんど気になることはない。
- しかし、G7 Xを使った後だとやはりその遅さは否めない。
- レンズ付け根にあるリングの操作性もレスポンスがよいのはG7 X。
- シャッターボタンを押したときの感触やダミーのシャッター音などもG7 XのほうがRX100 IIIにくらべ勝るように思える。
- このあたりは古くからカメラをつくり続けているメーカーのプライドともいうべきもの。
バッテリー
- バッテリーの充電は、G7 Xが専用のチャージャーが付属。
- RX100 IIIはUSBケーブルを介してカメラ内充電。
- やはり使いやすいのはチャージャーの付属するG7 Xと感じる。
- RX100 IIIは予備バッテリーが不要なユーザーにはよいが、写真愛好家には物足りない気がする。
- なおフル充電からの撮影可能枚数は、G7 Xが約210枚、RX100 IIIが約320枚(いずれも液晶モニター表示時/CIPA準拠)。
まとめ
- G7 XとRX100 IIIの両者を比較して分かったのが、単独のレビューでは見えていなかったメリットやデメリットがいくつか見えてきたこと。
- それぞれの操作感の違いや描写なども含め、ある意味メーカーの思想や思惑が感じられたいへん面白い。
- 結果的に甲乙付け難いものとなったが、いずれもメーカーの威信をかけたカメラであるからだろう。
- 今回の比較レビューで分かった結果は、それぞれの個性として受けとってもらえればと思う。
- 購入の際はそのことを理解したうえで選ぶとよい。
とのこと
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