2025.12.22
要約
2025年の噂を総括しつつ、2026年に現実味を帯びるキヤノン新機種を整理する。APS-C旗艦「EOS R7 Mark II」(約4000万画素/8K)の可能性、「AE-1」50周年オマージュ「RE-1」、動画寄り「EOS R8 V」、静止画指向「PowerShot V3」、低価格VR機、そして「EOS R3 Mark II」構想までを俯瞰する。
Camera rumors in 2025: what cameras are coming, officially and otherwise! | Digital Camera World
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Digital Camera Worldに、キヤノンの2025年のカメラの噂の振り返りと2026年に登場する可能性があるカメラの噂が掲載されています。
キヤノンの噂 2025
- キヤノンは毎年、他社よりも多くのカメラ噂の標的になるメーカーである。
- その大きな理由は、キヤノンが41年連続で「写真関連の特許出願件数最多」の座にいるからだ。
- この特許こそが、次に来るカメラの姿をいち早く示す“ヒント”になることが多い。
- 2025年のキヤノン関連の噂は、ビデオやVlog向けデバイスが中心だった。
- そして実際に発表されたカメラも、ほぼすべて動画寄りの製品である。
- コンパクト機のキヤノン「PowerShot V1」、Vlog向けの「EOS R50 V」、静止画と動画を両立させた「EOS R6 Mark III」、そしてシネマ機の「EOS C50」だ。
- では、2026年に現実味が高いキヤノンの噂とはどのようなものだろうか。
キヤノン「EOS R7 Mark II」
- 2025年を通して“約束されたのにまだ出ていない”あるいは“そもそも現実的ではなかった”とも言える噂がいくつかあったが、現時点では「EOS R7 Mark II」が2026年半ばまでに登場する可能性はかなり高いと見られている。
- タイミング的には、2月の横浜CP+前後に“景気づけの1台”として発表されるかもしれない。
- 数カ月前から、このカメラは“ベイビーR5”と呼ばれてきたが、その理由はおそらくこうだ。
- 最新の噂では、「EOS R7 Mark II」は8000万画素級……ではなく、8K動画対応の4000万画素センサーを搭載すると言われている。
- これが事実なら、キヤノン史上もっとも高解像度なAPS-Cカメラになるうえ、2022年に登場した富士フイルムの4000万画素APS-Cセンサーと正面から張り合う存在になる。
- もちろん、解像度アップにはいくつかのトレードオフがつきまとう。
- ひとつはボディサイズの拡大だ。
- 「EOS R7 Mark II」は物理的にひと回り大きくなり、「EOS R5 Mark II」用の縦位置グリップが流用できるほどのサイズになる、という話もある。
- その理由は、おそらく冷却機構や放熱構造を内蔵するためだろう。
- さらに、新しい「R7」は8K DCI(8192×4320)ではなく、UHD 8K(7680×4320)に限定されるという情報もある。
- これは、「EOS R5 Mark II」のテリトリーを侵食しないようにするためだと考えられている。
- また、キヤノンのニューラルネットワーク画像処理を利用した「カメラ内アップスケーリング」が搭載される、という話も耳にする。
- ただし、これについては少し慎重であるべきだろう。
- ニューラルネット処理は今のところ、キヤノン「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」といったフラッグシップ寄りの機種にしか実装されていない。
- それを一気にAPS-C機まで落としてくるのは、かなり大きなステップに思えるからだ。
- 一方で、「EOS R7 Mark II」でキヤノンは“市場を揺さぶる”つもりだという話もあり、その“揺さぶり”がまさにこうしたフラッグシップ級の機能投入を指している可能性もある。
キヤノン「RE-1」
- 長いあいだささやかれてきたキヤノンの“レトロEOS R”についても、ようやく少し具体的な情報が出てきた。
- 自分は以前からこのカメラを「Canon RE-1」と呼んできたが、その理由は、1970年代の名機「キヤノン AE-1」をオマージュしたミラーレス版になると見られているからである。
- そして2026年4月は、その「AE-1」発売からちょうど50周年にあたる。
- カレンダーに印をつけておく価値はありそうだ。
- キヤノンは、このレトロ機をニコン「Z f」と同じような立ち位置に置こうとしているように見える。
- つまり、尖った最新スペックを詰め込むのではなく、ミドルクラス機をベースに、動画より“写真体験”を重視したモデルにする方向だ。
- 具体的には、この「RE-1」は「EOS R6 Mark III」と「EOS C50」に搭載されている新しい3250万画素フルサイズセンサーを使うと言われている。
- ただし、7K動画やオープンゲート収録のような機能はあえて省き、コストを抑えつつ、オリジナルの「AE-1」に近い“写真機らしさ”を重視するようだ。
- レトロ路線は、富士フイルム、OM SYSTEM、ニコンなど、各社がすでに成功例を持つ“おいしい領域”である。
- キヤノンとしても、価格設定を誤って市場から浮いてしまうことだけは避けたいはずだ。
- 成功させるには、ボディ単体で1999ドル未満あたりの価格帯が望ましい、という声もある。
- 個人的には、フィルムカメラ風ボディに似合う“ビンテージ風レンズ”が現状ほとんどないことの方が気になっている。
- 「RF35mm F1.8」や「RF50mm F1.8」あたりを、往年の一眼レフ風デザインに仕立てた“レトロ版”として出してくれると、かなり雰囲気が出るのではないかと思う。
キヤノン「EOS R8 V」
- 「EOS R50 V」は、オリジナルの「EOS R50」をベースに動画寄りに振った“姉妹モデル”として登場した。
- この流れを受けて、「RV」ラインの追加モデルに関する噂も出ており、年内にもう1台が来るのではないかと言われている。
- 当初は、その新モデルが「EOS R7」の後継、つまりR7を動画寄りにした「R7 V」になるのでは、という見方もあった。
- しかし、最近の噂では、次のRV機はフルサイズ機、つまり「EOS R8」の姉妹モデルになるという説が有力である。
- このカメラは、APS-Cの「EOS R50 V」と シネマEOSシリーズのあいだを埋める、Vシリーズの“フラッグシップ”ポジションになると噂されている。
- ステップアップを狙うクリエイターに向けて、シネマ機に行く前の“受け皿”を用意しようというわけだ。
- ベースは「EOS R8」と同じ2420万画素フルサイズセンサー(および「EOS R6 Mark II」と同等)で、以下のような動画性能が見込まれている。
- 6Kオーバーサンプリングによるノンクロップ4K60p
- 約1.2倍クロップでの4K120p
- Canon Log 3、10bit 4:2:2(H.265)
- 4ch・24bitオーディオ対応
- ボディ単体1799ドル、キットレンズ付き1999ドルという噂もあり、もしこれが実現すれば、クリエイター向け市場でかなり強力な1台になるだろう。
キヤノン「PowerShot V3」
- キヤノン「PowerShot V1」(上の機種)がアジアで発売されたばかりだが、すでにVシリーズ次期モデルの噂も出ている。
- 「V1」が明らかにVlog・動画寄りのコンパクト機なのに対し、次の「PowerShot V3」はどちらかと言えば静止画撮影者向けのモデルになる、という話だ。
- 噂によれば、搭載センサーは「V1」と同じ1.4型センサーだが、コンテンツクリエイター向けの16–50mmズームではなく、静止画向けの20倍ズームを採用し、望遠端は約500mm相当になるという。
- 静止画ユーザーにとってはかなり魅力的なスペックだ。
- もし「V1」と同じ30コマ/秒の連写性能を維持するのであれば、このカメラは2025年以降、かなり人気を集める1台になりそうだ。
キヤノン 3D VRカメラ
- キヤノンは以前から、360°/180°の3D VR分野に力を入れている。
- 数年前には「RF5.2mm F2.8 L Dual Fisheye」を投入し、現在はAPS-C向けの3D/VRステレオレンズも準備中とされている。
- 今回話題になっている新しいカメラは、その技術をひとつにまとめたような存在だ。
- 外観は「Dual Fisheye」と「PowerShot V10」を足して割ったようなスタイルで、360°/180°の3D VR 8K撮影とVRライブ配信に対応するという。
- キヤノンから直接聞いた話ではないが、このカメラのターゲット価格は1000ドル未満(約820ポンド/1590オーストラリアドル前後)と言われている。
- 写真用カメラというよりは、VRクリエイター向けのツールとして注目しておきたいデバイスだ。
キヤノン「Posture Fit」
- キヤノンは2021年に「Posture Fit」というコンセプトカメラを披露した。
- ピクサー映画に出てきそうなキャラクターのような外観で、デスクの上に置き、広角レンズと骨格認識でユーザーの姿勢を監視するガジェットである。
- 猫背になってくると、机の上で光り、揺れ、ビープ音を出して姿勢を正すよう促し、長時間座りっぱなしのときは立ち上がるよう注意もしてくれる。
- その後しばらく情報が途絶えていたが、最近、日本で出願された特許によると、新しい「Posture Fit」は視野内の複数人を同時に監視できるようになるという。
- なお、このデバイスは監視カメラではなく、写真撮影用のカメラではないので、いわゆる“スパイ用途”には使えない設計である。
- とはいえ、デスクワークの多い人にとっては、なかなか賢いライフスタイルガジェットになりそうだ。
キヤノン「EOS R3 Mark II」
- 「EOS R3」は、キヤノンのラインアップの中で少し不思議なポジションにいる。
- 本来のフラッグシップ機である「EOS R1」が登場した今、「R3」は“旗が立つまでの仮の頂点”という役目を終えたようにも見える。
- R1がほぼすべての面でR3を上回っている以上、R3を“中途半端な存在”と見る向きがあるのも事実だ。
- しかし一方で、「EOS R3」で初めて搭載された技術が、その後「EOS R1」や「EOS R5 Mark II」に落とし込まれていることを考えると、R3はEOS Rファミリーの“テクノロジー試験機”としての役割を担っているとも言える。
- 最新技術をまずR3系で試し、その後フラッグシップや5シリーズに成熟した形で載せる、というパターンだ。
- もしそうだとすれば、「EOS R3 Mark II」は、たとえばキヤノン初のグローバルシャッターセンサーを搭載する候補として非常に理にかなっている。
- グローバルシャッターは魅力的な一方で、現状ではダイナミックレンジなどいくつかの妥協を伴う技術でもある。
- その意味でも、いきなりR1 Mark IIで本格採用する前に、R3 Mark IIで“水試し”をするのは自然な流れだろう。
- 実際、キヤノンがグローバルシャッター搭載カメラを準備しているという噂も出てきている。
- 一方で、R3系そのものが今後不要になる可能性も否定できない。
- オリジナルの「EOS R3」が登場してからすでに3年が経っており、今後数カ月の動き次第で、このシリーズの行方が大きく変わるかもしれない。
- 少なくとも、2026年前後は「EOS R7 Mark II」や「RE-1」、そしてR3の後継かもしれない何かが動き出す年になるはずだ。
- いずれにせよ、しばらくはキヤノンの動向から目が離せないだろう。
とのこと
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